
BASIC認証なしで動画を「知っている人だけ」に公開する方法

目次
WordPressのリダイレクトプラグインで実現する「秘密のURL+短縮URL」運用
この記事でわかること
学校・保育園・クラブなどのホームページで動画や写真を配布したいとき、こんな悩みはありませんか?
- BASIC認証のIDとパスワードが面倒で、保護者から「見られなかった」と言われる
- 日本語のURLがメールやLINEで文字化けして長くなる
- パンフレットにURLを印刷したら、次のページが変わって対応が必要でした
この記事では、これらをまとめて解決する方法を紹介します。
むしろ「どこまで隠せるのか」という問題
動画を非公開にする方法として、まず思いつくのはBASIC認証(IDとパスワードで入れる仕組み)ですが、現場ではこのような問題が起きています。
- iPhoneのSafariやLINEブラウザで入力できないことがある
- 高齢者の祖父母が操作できない
- 「パスワードがわかりません」という問い合わせが増えました
そこで、非公開の方法には「強さ」のレベルがあることを整理しておきます。
| レベル | 方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 強 | BASIC認証・会員制 | 完全認証。但し保護者の操作が大変です |
| 中(今回の方法) | 秘密のURL+短縮URL | 見つけにくい。操作は簡単です。 |
| 弱い | 完全公開 | 誰でもアクセス可能 |
「学校説明会の動画を見てもらいたいが、一般には公開したくない」という用途なら、中レベルで十分だというのが今回の結論です。
重要:「秘密の URL 方式」は「完全な非公開」ではありません。URL を知っていれば誰でも閲覧できます。
結論:やることはシンプルな4つ
- 乱数を使った長いURLでフォルダを作る(推測されやすい)
- noindex設定と.htaccessの設定(検索エンジンとフォルダ一覧対策)
- WordPressのリダイレクトプラグインで短縮URLを作る(配布用)
- その短縮URLをメール・LINE・QRコードで配布する
この4つだけです。難しいことはほとんどありません。順番に説明します。
STEP 1:推測されにくいURLでフォルダを作る
動画ファイルを保存フォルダのURLに、意味のない英数字(乱数)を入れます。
良いURLの例:
https://example.jp/video2026/a8Kx7pQ2mL/entrance-examination-schedule/
乱数のコツ:
- 英大文字・小文字・数字を混ぜる
- 8〜12文字程度
- 意味のある単語(学校、オリエンテーションなど)は使わない
避けるべき例:
/video/school/ ← 推測されやすい
/v123/ ← 短すぎる
/orientation2026/ ← 意味がある
STEP 2:検索エンジンとフォルダ一覧への対策
noindex設定
動画一覧ページのHTML以下を追加して、Googleなどの検索に出なくなります。
<meta name="robots" content="noindex,nofollow">
フォルダ一覧を非表示(.htaccess)
フォルダのURLにアクセスしたとき、ファイル一覧が表示されないように.htaccessに書き込みます。
Options -Indexes
robots.txtへの追記
検索エンジンのクローラが動画フォルダーを巡回しないよう、robots.txt に書きます。
Disallow: /video2026/
ステップ 3:リダイレクトプラグインで短縮URLを作る
ここが今回の最大のポイントです。
長い実URLを保護者に直接表示するのではなく、短い「ポータルURL」を作ります。
実URL(公開):
https://example.jp/video2026/a8Kx7pQ2mL/entrance-examination-schedule/
配布URL(保護者に渡す):
https://example.jp/v/orientation2026
保護者が配布URLにアクセスすると、自動的に実URLに飛びます。
設定手順
- WordPress管理画面 → プラグイン → 新規追加
- 「リダイレクト」で検索、作者「John Godley」のプラグインをインストール・有効化
- ツール→リダイレクトを開く
- 画面入力下の欄に設定:
- ソースURL(短縮URL):
/v/orientation2026(ドメイン不要) - 目標URL(実URL):長い実URLをそのまま貼る
- ソースURL(短縮URL):
- 「転送を追加」をクリック
以上です。
注意:
/v/ここの固定ページと重複しない名前にしてください。/v//go//link/などが使いやすいです。
STEP 4:配布・動作確認
作成した短縮URLを、保護者向けのLINEグループ・一斉メール・QRコードで配布します。
動作確認のチェックリスト:
- [ ] ブラウザで短縮URLを開いて動画ページが表示されるか
- [ ] iPhoneのSafariで再生できるか
- [ ] AndroidのChromeで再生できるか
- [ ] LINEのトークから短縮URLをタップして開けるか
- [ ] QRコードを作成してスキャンで飛べるか
気づいたら応用範囲が広がった!他の使い方
この方法を試している途中で、動画以外にも使えることに気づきました。
パーマリンク問題の解決
WordPressで日本語タイトルを固定リンクしていると、メールやLINEでは次回のような文字化けURLになります。
https://example.jp/%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e8%aa%ac%e6%98%8e%e4%bc%9a.../
これも短縮URLで解決できます。
- SEO・検索エンジン用→ 日本語パーマリンクのURL(変更しない)
- メール・QR・LINE用→リダイレクトで作った短縮URL
パーマリンクを変更するとGoogleの検索評価がリセットされてしまいます。だからパーマリンクはそのままにして、配布用URLだけ短縮URLにするのがベストです。
パンフレット・印刷物への固定URL活用
印刷物にURLを掲載すると「次のページが変わって古いURLが有効になる」という問題がよく起きます。
今回の方法なら:
- パンフレットには短縮URLを印刷(例:
example.jp/v/orientation) - 毎年、転送先(実URL)だけ変更する
- パンフレットはそのまま使い回せる
大学や大企業のウェブサイトでも、/admission /apply /open-campusなどの「固定の玄関URL」を持ち、中身だけ毎年更新しています。
活用例:
| 用途 | 固定短縮URL |
|---|---|
| 説明会 | /v/方向 |
| 願書・募集 | /v/適用 |
| パンフレット | /v/info |
| 緊急連絡 | /v/緊急事態 |
今回採用しなかった方法
検討した選択肢も簡単にご紹介しておきます。
| 方法 | 不採用の理由 |
|---|---|
| BASIC認証(従来方式) | 保護者の操作が大変です。スマホ・LINEで入力できないケースがある |
| Vimeo限定公開 | 有料プランが必要です。外部サービス依存になる |
| Google ドライブの共有 | Googleアカウント不要で使えるが、共有設定が複雑になりやすい |
| 外部URL短縮サービス(bit.lyなど) | 保護者が「微妙リンク」と感じる場合がある |
外部の短縮URLサービスを使わずに、自分のサイト内で短縮URLを使えるWordPressのRedirectionプラグインが、学校・保育園の用途には一番相性が良いと思います。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| やること | 乱数URL+短縮URL(Redirectionプラグイン)の組み合わせ |
| 必要なもの | WordPressサイト、リダイレクトプラグイン(無料) |
| 保護者の操作 | URLをタップするだけ。パスワード不要 |
| SEOへの影響 | なし(すべてのURLはそのまま) |
| 応用範囲 | 動画・PDF・日本語URL・印刷物・QRコード |
「BASIC認証はセキュリティが高く、使いにくい」という長年の悩みが、WordPressのプラグイン1つとフォルダ名の工夫だけでかなり解消できます。
この記事は実際の学校サイト運用での検討をもとにまとめました。
