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ファイアーウォールの装置が原因と思われるエラーの解消方法~ESETのインストール失敗から学んだ、意外な解決策~

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ESETのインストールに失敗する不具合が発生

先日、お客様先へパソコンを納入する仕事がありました。通常であれば、自社でセットアップを行う際に最初にセキュリティソフト「ESET」をインストールして設定を済ませてからお届けするのですが、今回はライセンスの取得がギリギリ間に合わず、納入先でインストールすることになりました。

ESETとは? ESET(イーセット)は、スロバキア発のセキュリティソフトウェアです。動作が軽くて安定していることで知られており、法人・個人を問わず世界中で広く使われています。

あらかじめUSBメモリにESETのインストールファイルを用意して持参し、現地でインストールを開始しようとしたところ——

「ネットワーク環境がありません」という趣旨のエラーが表示され、インストールに失敗してしまいました。

これには正直、かなり驚きました。ESETのインストール作業は20年以上の経験がありますが、失敗したのは今回が初めてのことです。「一体何が起きているのか…」と頭を抱えながら、その日はいったん作業を中断し、原因を調べるために自宅へ戻ることにしました。

Perplexityで原因と対策を調べた結果

帰宅後、AIを使った検索サービス「Perplexity」でこの状況を調べてみました。

Perplexityとは? Perplexityは、AIが複数のウェブ情報を横断的に検索・分析して回答を提示してくれるサービスです。通常の検索エンジンとは異なり、情報をまとめて提示してくれるため、原因究明や技術的な調査に重宝します。

調査の結果、考えられる原因と対策として、次の2つが挙がりました。

  1. オフライン用インストーラーを使う方法 ESETには、インターネット接続なしでインストールできる「オフライン版インストーラー」が公式で提供されています。通常版がインストール中にネット接続を必要とするのに対し、オフライン版はすべてのデータをあらかじめ含んでいます。
  2. 訪問先のファイアーウォール装置が原因の可能性 お客様先には、別の業者が設置した「ファイアーウォール」装置があることがわかっていました。このファイアーウォールがネットワーク通信を制限しており、ESETのインストールに必要な通信をブロックしている可能性が考えられました。

ファイアーウォールとは? ファイアーウォール(Firewall)とは、ネットワーク上の通信を監視・制御するセキュリティの「門番」のような装置・ソフトウェアのことです。許可されていない通信をブロックすることで、外部からの不正アクセスや攻撃を防ぐ役割を担っています。企業や学校などの組織では、ルーターと組み合わせた専用のハードウェア装置として設置されていることが多いです。

次回の訪問に向けて、念のためオフライン版インストーラーを準備しておくことにしました。

訪問先でのできごと

改めてお客様先を訪問し、今度は別のパソコン(以前に納品していたもの)のセットアップ作業を行いました。

まず、自社からリモートでサポートできるよう、「TeamViewer」というリモートデスクトップソフトをインストールしようとしました。

TeamViewerとは? TeamViewerは、インターネット経由で離れた場所にあるパソコンを遠隔操作できるソフトウェアです。サポートや保守作業を現場に行かずに行えるため、IT業者に広く活用されています。

ここでも、予想外の出来事が起きました。

TeamViewerのインストールファイルをパソコンの「パブリック」フォルダー(すべてのユーザーが共有できる場所)に保存し、そこからショートカットをデスクトップに置いて起動を試みたのですが——起動エラーが発生して、動きませんでした。

「またエラーか…」と思いながらも、試しにTeamViewerのファイルをログイン中のユーザーのデスクトップに直接コピーして起動したところ、今度はあっさり正常に起動しました。

この体験から、ひとつの仮説が浮かびました。

「このファイアーウォールは、ログイン中のユーザーのフォルダー以外の場所からプログラムを起動することを制限している装置ではないか?」

ファイアーウォールというと「外部からの通信を遮断するもの」というイメージが一般的ですが、組織によっては「どこからプログラムを起動してよいか」というルールも管理できる、より高機能な装置が設置されていることがあります。今回のケースはまさにそれだったようです。

再び、ESETのインストールを試みた

TeamViewerの一件で「起動する場所が問題だ」という見当がついたところで、最初に失敗したESETのインストールに再挑戦することにしました。

前回(失敗した)手順のおさらい

  1. USBメモリに入れたESETのインストールプログラムを、USBから直接起動した
  2. 「ネットワーク環境がない」というエラーが出て、インストールに失敗
  3. 失敗の原因は、当時は不明だった
  4. 念のため、次回のためにオフライン用インストーラーを用意しておいた

今回(成功した)手順

  1. USBメモリのESETインストールプログラム(オフライン版ではなく、通常のオンライン版)をデスクトップにコピーした
  2. デスクトップにコピーしたファイルを起動したところ、いつものようにスムーズにインストールが完了!
  3. 結局、わざわざ準備してきたオフライン版インストーラーは使いませんでした

たったこれだけの違い——「USBから直接起動するか、デスクトップにコピーしてから起動するか」——で、結果が180度変わったのです。

ファイアーウォールが「USBメモリ(外部ストレージ)からの直接プログラム起動」を制限していたことが、今回のインストール失敗の真の原因だったと考えられます。

今回の一連の作業のまとめ

ファイアーウォールが原因と思われるときに、まず自分で試せること

業者に問い合わせる前に、次のことをぜひ試してみてください。

ネットワーク上のファイアーウォールが原因でプログラムが起動しない、インストールできないという場合:

該当のプログラムを「ログイン中のユーザーのデスクトップ」にコピーして、そこから起動してみる

USBメモリ、共有フォルダー、パブリックフォルダーなど、ユーザーフォルダー以外からの起動を制限しているファイアーウォールの場合、この方法で問題が解決することがあります。

ESETに関するヒント

ESETは非常に安定したセキュリティソフトです。長年使ってきた経験上、ESETそのものが原因でインストール失敗になることはほとんどありません。

もしESETのインストールに失敗した場合は、「ESETが悪い」と判断する前に、まずパソコンの環境やネットワーク環境に問題がないかを疑ってみましょう。 今回のように、全く別の原因が隠れていることがあります。

最後に

今回のトラブルを振り返ると、一つの組織の中にパソコンやネットワークに関わる業者が複数存在している場合、お互いの作業内容や設置している機器についての情報共有が不十分だと、こうした予想外のトラブルが起きやすいと感じました。

今回のファイアーウォール装置については、設置した業者さんから事前に「このような制限をかけています」と知らされていれば、最初から正しい手順で作業でき、時間も手間も省けたはずです。

お客様に満足いただけるサポートを提供するためには、関係する業者間での情報共有が欠かせません。

今後も同様の環境での作業が予想される方は、ぜひ今回の体験を参考にしていただければ幸いです。

また、「ファイアーウォールって何?」という疑問をお持ちだった方にとっても、単なる「通信の壁」以上の役割を持つ装置だということが、少しでも伝わっていれば嬉しいです。

以上、ESETインストール失敗から学んだファイアーウォールとの格闘記でした。同じような状況でお困りの方のお役に立てれば幸いです。

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