
リース会社から届いた「再リース案内」で気づいた深刻な落とし穴 | パソコン・IT管理は“知らないと損をする世界”です

目次
◆ はじめに
パソコンのサポートを30年以上続けていると、「専門家なら当たり前」と感じていることが、現場では全く知られていない——そんな場面に度々出会います。
しかし、それは誰のせいでもありません。
なぜなら、ITの世界はルールや常識が頻繁に変わり、しかもその情報が一般利用者へ十分に届かないことが多いからです。
今回は、実際に現場で起きた出来事をもとに、
「知らなかったせいで、会社が危険な状態に気づかないまま過ごしていた」
そんなケースをご紹介します。
「自分の会社も何となく心当たりがある」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
◆ 相談のきっかけ
ある会社から、「ホームページが見られなくなった」「メールの調子がおかしい」という相談を受けました。
詳しく調べると、
- 旧プロバイダーが提供していたホームページサービスが既に終了
- メールサーバーの仕様も変更済み
- 社内に詳しい担当者がいないため、何年も状況が放置されていた
という状態でした。
ホームページは新しいドメインでWordPressを構築し直し、メールも会社ドメインに一本化して無事解決。ここまではよくあるケースです。
しかし、本当の問題はここからでした。
◆ 予想外の問題:使われていたのは Windows Live メール
メール不調の原因を調べていくと、実際に使われていたのは Windows Live メール。
このソフトのサポートは、2017年に終了しています。
Outlookもインストールされていたのに、
「昔から使っているから」という理由で、そのまま Live メールを使い続けていたのです。
サポート終了のリスクを説明しても
「まだ動いてるし問題ないのでは?」
という反応。
実際に現場でこうした判断をしてしまう方は、とても多いです。
◆ さらに深刻だった事実:Windows 10 のサポート切れ
確認してみると、そのパソコンの OS は Windows 10 でした。
Windows 10 は 2025年10月14日にサポート終了。
延長サポートを1年間だけ有料で受けることはできますが、何も手続きされていませんでした。
つまり、
会社はサポートの切れた OS を業務で使い続けていた
という状況だったのです。
誰も気づいていなかったのは、当然かもしれません。
「まだ動くから」「特に困っていないから」。
ほとんどの方がそう感じてしまうのが現実です。
◆ そして最大の疑問:「再リース案内」
驚いたのはここからです。
社長が
「このパソコン、リースだから再リースの案内がきた」
と書類を見せてくれました。
リース満了は 2026年2月。
社長は当然のように再リースを検討していました。
しかし、私は書類を見てすぐに気づきました。
● 再リース後の2026年10月には Windows10 の延長サポートが終了
つまり、こうなります:
- パソコンは動く
- しかし OS のサポートが切れている
- 業務利用すると重大なセキュリティリスクが発生
- リース契約期間中なのに、使ってはいけない状態になってしまう
これは IT の専門家なら誰でも気づく当たり前の話です。
ところが、ここが重要です。
◆ なぜリース会社は教えてくれないのか?
本来なら、リース会社はこう説明すべきです:
- 「OS のサポートが切れます」
- 「Windows11 搭載の新機種への入れ替えを検討してください」
- 「再リースは推奨されません」
しかし、書類には一切その記載がありませんでした。
ただ「再リースできます」という案内が入っているだけ。
これはその会社に限らず、
多くのリース会社で共通して見られる現象です。
リース会社= IT の専門家ではありません。
仕組み上、OSサポートやセキュリティまで責任を持って案内してくれるケースは少ないのです。
◆ こうした問題がなぜ起きるのか
理由はとてもシンプルです。
● IT の世界は変化が速く、情報が届く前に現場が取り残される
- OS のサポート期限
- メール仕様の変更
- サーバーの撤廃
- セキュリティルール
これらは毎年のように変わっていきます。
そして現場の方は、
**「困ったときだけ調べる」**というスタイルになりがち。
すると、今回のような危険な空白期間が生まれてしまいます。
◆ 信頼できる IT パートナーを持つという選択
会社の規模が小さいほど、社内に専門家をおくのは難しいものです。
しかし IT の問題は、放置すると会社全体の業務に影響します。
そこでおすすめしたいのが、
“必要なときだけ相談できる外部パソコンサポート”
という形です。
私は長くお付き合いしている会社もあり、
「パソコン担当=社長の次に古い存在」
というケースもあります。
パソコンの OS 変更から、
請求書の税率更新、
コロナ禍のオンライン化まで、
時代の変化のすべてを一緒に乗り越えてきました。
“身近に相談できる人がいる”
というだけで、安心感がまったく違います。
◆ 今回の経験からお伝えしたいこと
- IT の常識は、一般の方からすると「盲点」になりやすい
- 大事な情報は誰も教えてくれないことがある
- パソコンに詳しくなくても、責任は利用者側に降りてくる
- OS やソフトのサポート状況は、放置するとリスクが大きい
そして何より、
信頼できる専門家とつながっておくことが、最もコストパフォーマンスの高いリスク回避方法
だということです。
◆ お困りの際はお気軽にご相談ください
今回のように、
- リース契約とOSサポートの矛盾
- メール不具合
- ホームページのアクセス不能
- Windows の移行や設定
- 小規模事業の IT 管理
これらは「よくある相談」です。
自分で調べても不安なとき、会社で詳しい人がいないとき、
まずは一度ご相談ください。
長期契約の必要はありません。
単発のご依頼でも丁寧にサポートいたします。
◆ この記事の要点
- リース会社が OSサポート状況を説明してくれるとは限らない
- Windows10 の再リースは、契約途中で“使ってはいけない状態”になる可能性
- 古いメールソフトや未対応のホームページは大きなリスク
- パソコンが苦手でも問題なし。専門家を外部パートナーにするという選択肢がある
- IT 管理は「知っているかどうか」で安全性が大きく変わる
必要な人に届きますように。
そして、同じお悩みを抱える方の支えになれれば幸いです。
